タロは人と遊ぶのが好きである。
支援センターやデパートの遊具のあるエリアに行けば、遊んでくれそうな子に近づいて仲間に入れてもらおうとする。
病院に行けば、わざわざ他のお母さんの隣に座って反応を待つ。
ただ、タロの言葉はまだ一語文。
名詞が精一杯なので、上手くコミュニケーションが取れない。
遊んでくれそうな子に近づいても、幼稚園・小学生くらいの子なら空気を読んで遊んでくれるが、同い年位の子、1歳代の子になると様子が一変する。
タロは遊んでと言えない変わりに、気になる子を追いかけ回したり、抱きついたりするのだ。
いきなり追いかけられれば、びっくりするし、嫌がる子も当然いる。
結果、お母さんの元に逃げてしまったり、泣かしてしまうこともある。
タロとしては仲良くしたかっただけなので、大概きょとんとしてしまう。
また、支援センターやデパートで会うお母さん達は子供を遊ばせに来ているので、タロが横に座ったり、隣に来ても何となく遊んでくれる。
一方、病院ではお母さんも遊ばせに来ているわけではないので、全くつれない時もある。
ただ、波長が合う子が居ればおいかけっこしたり、一緒に滑り台の下の狭い所に入ったり、同じ本眺めたりと楽しそうに遊ぶ姿が見れる。
また、タロにも好みがあるようで、気になる子は決まっているようである。
支援センターでは、3ヶ月年下の一卵性の双子ちゃん、特に活発な方の子とよく遊んでいる。
比較的大人しい方の子とも遊ぶけど、活発な子の方が一緒にいることが多い。
顔は一緒なのに、良く間違わず毎回遊ぶなぁと感心したり。
近所では、活発なお隣さんの子よりちょっと離れた家の大人しめの子が好みらしい。
みんな同学年の男の子なのに、違うらしい。
また、活動的な子が好きって訳でもないらしい。
ちょっと離れた家の子は、見かけると必ず玄関先まで付いていく。
しかも、居なくなってもしばらく立ち往生して出てくるのを待っている。
1度も遊んだことがないのに。
お隣さんは何度か一緒に遊んでいるけど、何となく最初に牽制と言うか、様子を伺うそぶりがある。
帰りも結構淡白で、玄関入るまではだらだら遊んでいるが、お隣さんの子が家に帰れば、タロもそそくさドアに入る。
合う、合わないを何で判断しているのか非常に気になる。